奈良芸術文芸サロン|歴史観光の佐保山茶論

奈良芸術文芸サロン|歴史観光の佐保山茶論
催し情報
 
施設案内
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若松夏美バロックヴァイオリン・ソロの世界 (開催 2020年6月6日&7日)
後援 奈良県・奈良市

 
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申し込みはこちら 
※備考欄にお申込みされる人数と日をご記入下さい。

太田光子によるリコーダー・レッスン(開催2020年4月20日)
後援 佐保山茶論

日   時 :2020年4月20日(月)
       午前の部10時〜12時、午後の部13時30分〜17時30分
会   場 :佐保山茶論
レッスン料 :1時間コース(税込11,000円)、30分コース(税込5,500円)
       ※要予約。※レッスン料は当日太田光子先生にお支払願います。
申し込み:こちら 
※備考欄にコース名とご希望の時間帯(午前もしくは午後)をご記入下さい。後日時間調整の上、レッスン時間をお知らせします。

西洋古楽の愉しみ (開催 2020年4月18日&19日)
後援 奈良県・奈良市

 
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平井満美子/歌、太田光子/リコーダー、佐野健二/リュート

ルネサンス音楽の代表作とも言える「涙のパヴァーヌ」を生み出したジョン・ダウランド、そしてイタリア初期バロックの名曲「アマリッリ麗し」を作曲したジュリオ・カッチーニ。この二人はほぼ同じ時期に活躍した音楽家なのですが、ダウランドはルネサンス様式の高みを極め、カッチーニは新しい音楽を模索しバロックの幕を開きました。
メランコリックを楽しむダウランド、心情を劇的に表現するカッチーニ。この二人に代表される16世紀後半から17世紀のイギリスとイタリアの「古楽の愉しみ」を歌、リコーダー、そしてリュートでお楽しみください。


開催日時 2020年4月18日(土)、19日(日) 開演14時(開場13時30分)

会  場 佐保山茶論 鶯鳴館

定  員 50名 ※要予約

料  金 3,500円/日、6,000円/2日 ※当日受付でお支払願います。

申し込み こちら 
※備考欄にお申込みされる人数と日をご記入下さい。

●18日(土)
英国のルネサンスとバロック「涙のパヴァーヌ」
曲目:悲しみよとどまれ/J.ダウランド、沈黙の闇の国から/H.パーセル、流れよ我が涙/J. ダウランド、スコットランド風ユーモアに基づくグラウンド/ N.マッテイス、スコットランドのメロディー集より「愛する妖精が」、「マギーラウダー」/J.オズワルド編、涙のパヴァーヌ/J.van エイク、ラクリメ/J. ダウランド、ほか

●19日(日)
イタリア初期バロック「アマリッリ麗し」
曲目:私の涙/B. ストロッツィ、嘆きの聖母/G.F. サンチェス、アマリッリ麗し/G. カッチーニ、シンフォニア第1番「アマリッリ」/M.ウッチェッリーニ、リコーダーのためのカンツォン/G.B.リッチョ、リチェルカータ第3番/G.バッサーノ、トッカータ/G.G. カプスベルガー、ほか

◇プロフィール


平井満美子/歌
幼少より母にピアノを学び、キリスト教会にて讃美歌に親しむ。声楽を畑きみ子、斉木幸子の両氏に師事し、神戸女学院大学音楽学部声楽科卒業。卒業後、オペラ、教会バロック音楽、ルネサンス時代の音楽、と様々なジャンルの音楽活動を始める。その後、音楽的興味は徐々にルネサンス後期から初期バロックに絞られてゆき、1990年より佐野健二とのデュオ活動に演奏活動の中心を置く。数少ない古楽の歌い手としてのその活動は新聞、音楽誌等にて高く評価されており、特にイギリス音楽における理解度の深さは常に注目されている。現在までに発売された佐野健二とのデュオCD全ては「レコード芸術」「音楽現代」等の推薦盤に選ばれ、デュオリサイタルに対しては「大阪文化祭本賞」を受賞している。 EMC主宰、NHK文化センター大阪「リュートで歌うはやり歌講座」講師。

太田光子/リコーダー
上野学園大学、ミラノ市立音楽院を卒業。第16回国際古楽コンクール<山梨>第1位。故ボッセ指揮のもとソリストとして神戸市室内合奏団等に客演。音楽の友誌「音楽評論家・音楽記者が選んだコンサートベストテン」に、ソロ・リサイタル「リコーダーの飛翔」がノミネート。「ヴィヴァルディ/リコーダー協奏曲集」(レコ芸特選盤)、「イタリアへの夢 II」(レコ芸特選盤、第49回レコード・アカデミー賞ノミネート)、「グリーンスリーブス〜笛の楽園」(キングレコード)他多数リリース。近年は名古屋バロック音楽協会、新潟県リコーダー教育研究会等各地でのマスタークラスやセミナー講師として招聘、全日本リコーダーコンテスト審査員を務める等、後進の指導にも力を入れている。リコーダーを山岡重治、ペドロ・メメルスドルフの両氏に師事。現在上野学園大学非常勤講師。

佐野健二/リュート
両祖父は西洋音楽学者と箏大検校、母はピアニスト、叔母はオペラ歌手、父はアマチュアながら清元の優れた演者、幼少時はピアノを学び、ギターは10歳より独学で始める。高校卒業後、岡本一郎氏に師事し同年九州ギターコンクール2位、翌年なにわ芸術祭新人賞を受賞する。師の勧めで英国・ギルドホール演劇音楽院に留学、ギターと古楽全般を学び、学内で「ジョン・ペティカン・クリフォード音楽賞」を受賞、首席にて卒業する。演奏活動に対し「ロンドン芸術協会選出新人音楽家」「大阪文化祭賞奨励賞」「クリティッククラブ新人賞」「神戸灘ライオンズクラブ音楽賞」「大阪文化祭本賞(2回)」等の賞を受ける。2007年、リュート音楽に特化したEMCluteRecordsレーベルを設立、自ら演奏、録音、編集、ジャケットデザインを総合的に行い、発売されたCDは専門音楽誌において優秀録音盤、推薦盤等として評価されている。EMC主宰、相愛大学非常勤講師。

ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロで綴るバッハの世界 (2019.11.2&3 終了)
後援 奈良県・奈良市


品川 聖 ヴィオラ・ダ・ガンバ
中川 岳 チェンバロ


 孤高のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者品川聖と彗星のごとく現れた新進気鋭の若手チェンバロ奏者中川岳との共演。
 J.S.バッハ(1685年〜1750年)の曲の他、バロック音楽から古典派音楽へ移行する時代を担った中心的な作曲家であった4人のJ.S.バッハの息子達の中から、長男のW.F.バッハ(1710年〜1784年)と次男のC.P.E.バッハ(1714年〜1788年)の曲の演奏もしました。
 追加公演では、各演奏者が独奏でバロック音楽の時代(17c.〜18c.中頃)の他の作曲家の演奏をしました。





お客様のご感想(アンケートより)

(11/2)
●楽器が近くで見られ、音がよく聴けたのがよかった。

●ヴォラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番のアレグロが良かったです。ジャズのアドリブ、かけ合いのような面白さがあります。

●秋が深まる佐保山にヴィオラ・ダ・ガンバの音色がなじんで心地良い一時を過ごせました。中川さんの繊細なチェンバロに心が虜になりました。次回も楽しみにしています。

●とてもステキであり暖かみがある演奏で良かったです。バロック音楽を生演奏で聴く機会は少ないのでこのような演奏会は自分にとって貴重だと思っている。

●すばらしく感動、又お聴きしたい。

●初めて来させていただきましたが、会場の雰囲気も良く、素敵なコンサートでした。アットホームな感じが良いです。


(11/3)
●とてもレベルの高い良い音楽を聴けました。また今回の演奏者の演奏を聴きたいです。もっと沢山の人にお二人の演奏を聴いて欲しいと思いました。楽器も良かったと思います。

●プログラムも良く、チェンバロ、ガンバ共に清らかなすばらしい演奏でした。

●チェンバロの優しい音とガンバの低音の音が良かった。

●チェンバロはもっと繊細な音かと思っていたら大きな音も出るのだと、美しいです、音も演奏も楽器も。ヴィオラ・ダ・ガンバが豊かなやわらかくて太いチェロとは違う音で、もっと聴いていたかった。ヴィオラ・ダ・ガンバの曲が少なかった。ヴィオラ・ダ・ガンバ不足・・・でしたが、アンコールで大分満たされました。

●12のポロネーズを一気に弾いてしまう中川岳さんのエネルギーには驚かされました。品川聖さんの演奏は微妙な音色の変化が表現されていて音楽に深みと立体感があると感じます。

●素敵な空間で、素敵な演奏が聴けて良かった。曲の解説もあり分かりやすかったです。ありがとうございました。



◇各日の演奏曲目
11/2(土)
J.S.バッハ:ガンバソナタ 全3曲 BWV1027,1028,1029 / J.S.バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998 / J.S.バッハ:ファンタジア イ短調 BWV922

(追加公演:ヴィオラ・ダ・ガンバ独奏)
J.シェンク(1660-after 1716):「ドナウ河のこだま」Op.9より、ソナタ 第6番 イ短調 / G.P.テレマン(1681-1767):「忠実な音楽の師」より、ソナタ ニ長調 / C.F.アーベル(1723-1787):「ガンバのための27の小品」より、WKO205,209,208


11/3(日)
C.P.E.バッハ:ガンバソナタ Wq88,136 / W.F.バッハ:12のポロネーズ / J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より、前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 BWV849 / J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻より、前奏曲とフーガ ホ長調 BWV878 / J.S.バッハ:ファンタジアハ短調 BWV906 / C. P. E. バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ハ長調 Wq. 136

(追加公演:チェンバロ独奏)
フランソワ・クープラン(1668-1733):『第21オルドル』(慕われる王妃、跳躍、クープラン、ハープ、小さな皮肉屋) 、『第14オルドル』より(恋の夜鳴きうぐいす、嘆くむしくいたち)、『クラヴサン奏法』よりプレリュード第5番、『第5オルドル』より(アルマンド「ラ・ロジヴィエール」、クーラント、サラバンド「危険」、フローラ、波)

◇プロフィール
Photo by 森下 恭
品川 聖 Hijiri Shinagawa ヴィオラ・ダ・ガンバ
桐朋学園大学およびブリュッセル王立音楽院卒業。ヴィーラント・クイケン氏ほかに師事。
留学中の2001年、信州でのソロ・デビュー以来、全国各地でコンサート活動を展開。2006年より「J.S.バッハ:ガンバ・ソナタ全曲」のコンサートを毎年開催。近年は活動の場を広げ、2015年NHK BSプレミアム「新日本風土記〜上高地」に出演。2016年松本と上高地で開催された第1回「山の日」記念全国大会において、皇太子殿下(現・天皇陛下)の御前でソロ演奏を披露。これまでに4枚のソロCDをリリース。東京古典楽器センター講師、日本ベルギー学会会員。


中川 岳Gaku Nakagawa チェンバロ
1993年三重県生まれ。4歳よりピアノを始める。2014年東京大学在学中に第27回国際古楽コンクール<山梨>鍵盤楽器部門で第1位(チェンバロ)を受賞。2016年夏より10ヵ月間ドイツのヴュルツブルク音楽大学にてグレン・ウィルソン氏にチェンバロを師事。留学中にチェンバロソロのCDを録音し、2018年5月にナクソスより『テレマン:6つの序曲TWV 32:5-10』としてリリースされた。2018年9月より「J.S.バッハ:チェンバロ作品全曲演奏会」シリーズを開始。演奏会情報 https://gakurecital.wixsite.com/home

フェルメール時代のリュート音楽 (2019.9.28終了)
後援 奈良県・奈良市・オランダ王国大使館

 
佐藤豊彦

11コース フランス式バロックリュート
(ガット弦を使用)

17世紀オランダ黄金期の画家フェルメールと同時代に活躍したオランダ唯一の歴史的バロックリュート奏者ヨハネス・フレズノー。
数年前に見つかったフレズノーの作品を世界を代表するリュート奏者佐藤豊彦が本邦初演しました。
フレズノーの他に同時代のフランスのリュート奏者である老ゴーティエ、デュフォーとムートンの作品を演奏しました。




お客様のご感想(アンケートより)

●アットホームなお話をお聞き出来て良かった。

●とても会場が良かった。オランダにフレズリーという作曲家がいたことが3年前にわかり、意外といい曲を残しているのが分かった。

●またリュートを聴いてみたい。トークも楽しかった。古い楽器は弾いていると前の奏者の存在があるというお話。

●とても良かったです。また来ます。

●お話がとても興味を覚えました。長く続けて下さい。

●初めてリュートの生音を聴かせていただき感激しました。やさしく心に響く音ですね。途中で外の鳥のさえずりと一緒になってより心地良さを感じました。素敵な場所で素晴らしい音を聴かせていただきありがとうございました。

●お話も交え素敵なリュートの音が聴けて良かった。心地良いひとときの時間を過ごせました。

●シンプルなコンサート形式と空間が良かった。

●小節線の無いプレリュードの語るような音の表出に独得の印象がありました。

●時が止まったように静かなフェルメールの絵の向こう方にある、時の流れや、人の心の動きを感じた気がしました。

●心地良く聴くことが出来ました。

●いいリュートを生演奏で聴けて嬉しかったです。

●素晴らしいかった。(会場や形式を含む。)

●とても美しい音色、やさしく、悲しく、心癒されました。昔の?という感覚でなく、曲が作られた時代も、心癒すため音楽あったのかなと思いました。ムートンさんの曲は特に詩をつけて歌ったのでは?と思ってしまう位演奏したのかなぁ〜と思いました。とても楽しいひとときをありがとうございました♪♪又期会がありましたら聴きにきたいです。フレズノーの3曲目あたりから音が大きく聴こえたような気がした。温まると音が変わりますか?

●いつも演奏も話も楽しませていただいています。ありがとうございました。

●場所も楽器も初めてで、素晴らしい雰囲気とリュートの音色が良かった。

●アットホームな雰囲気が豊かな音色にマッチしていて感動した。

●散歩していて素敵な場所だと思ったから来ました。説明が詳しくて興味深かった。快い時間でした。

●茶論の雰囲気と音楽が良く合って良い時間を過ごせました。奏者のお話も楽しく、歴史の一部として納得出来ました。中々演奏家がそこまで話して下さる(知っている?)人はいないので、さすがだと思いました。

●調律に関するお話、とても興味深かったです。演奏技術だけでなく、調律についての知識や技術も大切なんだと改めて気付かされました。300年以上昔の音楽でも、我々現代人にも共感できるのは、不思議。今も昔も人間は変わらないということの証拠なんでしょうか。

●とても雰囲気が良かった。親しみやすい話し方でした。リュートの音も素晴らしい。

●先生のお話、曲、茶論の雰囲気すべて良かったです。特に老ゴーティエの曲が好きだった。ムートンの曲も変化に富んでいて好きでした。リュートの話しをたくさん伺って耳も慣れてきた最後にもう一度フレズノーの曲お聴き出来、うれしくすばらしかったです。


曲  目
◇Johennes Fresneau フレズノー(1615/16‐1696以前)
Suite in A-major組曲 Aメジャー・F#マイナー
Préludeプレリュード / Tombeauトンボー / Couranteクーラント/ Sarabandeサラバンド / Gigueジグ
Les Larmes de DeFresnaeu フレズノーの涙

◇Vieux Gaultier (Ennemond Gaultier) 老ゴーティエ (1575‐1651)
Suite in F#-minor/A-major 組曲 F#マイナー・Aメジャー
Allemande, la Pompe funèbreアルマンド「葬送」/ La Pleureuse Couranteクーラント「泣き女」/ Sarabandeサラバンド / La Cheèvre (Canarie)カナリー「雌山羊」

◇François Dufaut デュフォー (1604以前‐1682以前)
Suite in A-minor 組曲 Aマイナー
Préludeプレリュード / Allemandeアルマンド / Couranteクーラント / Sarabandeサラバンド / Gigueジグ

◇Charles Mouton ムートン(ca.1626 - ca.1720)
Suite in C-minor 組曲 Cマイナー
Tombeau de Madame Pavanneパヴァーヌ「貴婦人に捧げるトンボー」/ La Deliberée Couranteクーラント「毅然とした女性」/ La Bergere Sarabandeサラバンド「羊飼いの娘」/ La libertin Canarieカナリー「自由思想の女性」


フェルメール時代のリュート音楽

〜フェルメール作「窓辺でリュートを弾く女」が奏している曲の謎に迫る〜

〜9月発売されるCD「IKI=Brisé」について〜

〜ガット弦について〜

元オランダ王立ハーグ音楽院教授 佐藤豊彦



 数年前にオランダ唯一の歴史的バロックリュート奏者ヨハネス・フレズノーの作品が見つかり、昨年私はそれをCD(2019年9月発売予定)に録音しました。フレズノーは1616年か17年にフランスで生まれ、オランダに移住して活躍し、1696年以前にオランダの大学町ライデンで亡くなっています。彼の作品はコンサートでは今回が本邦初演です。
 1632年にオランダのデルフトに生まれて1675年に亡くなったフェルメールに「窓辺でリュートを弾く女」と言う絵があります。この絵のリュートが11コースのいわゆるフランス式バロックリュートと呼ばれるもので、この女性はフレズノーの曲を弾いているに違いありません。フレズノーのお弟子さんである可能性も高いです。当時、他にオランダではこの種のリュートを習う方法が無かったからです。デルフトは私が住んだハーグの町からは歩ける距離で、ライデンも冬にはスケートを履いて運河を滑って行ける距離にあります。

 CDにはフレズノーの他に同時代のフランスのリュート奏者である老ゴーティエ、デュフォーとムートンの作品も収録されています。タイトルは「IKI=Brisé」です。Briséは直訳すれば風(靡き)ですが、ここでの意味はむしろ禅の自然(じねん)共通すると思います。つまり右から風が吹けば私は左に靡き、左から吹けば右に靡く。どこにも居ないけれどどこにでも居る。これは「いき」にも共通します。
 「いき」は江戸時代(1603年以降)に生まれた美的感覚です。究極は歌麿の絵にみられるもので、ヨーロッパのバロック期に於けるルーベンスなどの描くグラマーな女性の肉体美とは反対にほっそりとしたしなやかな女性の美しさを表現したものです。音楽の主流も17世紀には大掛かりになり、派手でスピード感やボリューム感も増えてきますが、リュートはむしろ逆の方向へ進んで行きます。日本の茶室文化にも似ています。その意味ではほとんど小さな絵しか描かなかったフェルメールとも共通していると言えるのではないでしょうか。

 なお、使用する弦は当時同様、羊の腸を捩って作ったガット弦です。ガット弦は温度や湿度に敏感で扱いが大変なので、今日ではほとんど使われていません。しかし、その特性はナイロンやカーボンなどの合成樹脂では補えません。ナイロンやカーボン弦でもリュートを歌わせることは問題なく出来ますが、語らせることは出来ません。ヨーロッパの古い音楽はその各々の言語に基づいて作られています。従って歌うだけでは二次元の表現で終わってしまいます。語ることが出来れば、それが立体化した三次元の表現になります。これがガット弦の特性です。分かりやすく言えば、合成樹脂の弦は均一な音が出せます。強弱を付けて綺麗に歌うことができますが、平面的(つまり二次元)で退屈です。ガット弦は一音一音が異なります。言わば不均等ですが、それが言葉になって語りかけてくれます。演奏技術も、今日のピアノやギターではどの指も均等な音が出せる訓練をしますが、それと正反対に、リュートでは各指が異なった役割の音を出す訓練をします。


佐藤豊彦Toyohiko Satoh プロフィール

世界を代表するリュート奏者として活動する佐藤豊彦は、1968年にスイスへ留学し、1971年に世界初のバロックリュートLPをスイスで録音してデビュー。1973年にはオランダ王立ハーグ音楽院の教授に抜擢され、2005年に退官するまでの30年以上、世界各国で活躍する数多くの後輩リュート奏者を育てた。1982年のカーネギーホールでのリサイタルは、ニューヨークタイムズに写真入で絶賛を博した。30枚近いソロLP,CD、そして数えきれない程のアンサンブルでの録音の中には1980年にオランダでエジソン賞、同年に文化庁芸術祭賞、1983年と2008年にはレコード・アカデミー賞など、多くの受賞がある。作曲家としても世界各地の現代音楽祭に参加し、自作品によるCDも3枚ある。バロックリュート教則本を始め、リュート現代音楽カタログ、自作品や編曲集などの楽譜の出版物もある。2000年には「リュート&アーリーギターソサエティ・ジャパン」の会長に就任し、特に日本に於けるリュート奏者、製作者、愛好家の普及に貢献すべく力を入れている。さらに音楽家のための禅茶道「楽禅古流」と気功「楽禅式呼吸法」を考案し、能楽を学び、伝統的な日本の精神文化との融合を目指して、現在も国際的に活動を続けている。1943年生れ。


佐藤豊彦に関する詳細情報は
リュート愛好家のWebsite「朝歌:CHOKA」に掲載されています。

「朝歌:CHOKA」のHPはこちら


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