奈良芸術文芸サロン|歴史観光の佐保山茶論

奈良芸術文芸サロン|歴史観光の佐保山茶論
催し情報
 
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ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロで綴るバッハの世界 (開催日 2019.11.2&3)
後援 奈良県・奈良市


品川 聖 ヴィオラ・ダ・ガンバ
中川 岳 チェンバロ


 孤高のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者品川聖と彗星のごとく現れた新進気鋭の若手チェンバロ奏者中川岳との共演。
 J.S.バッハ(1685年〜1750年)の曲の他、バロック音楽から古典派音楽へ移行する時代を担った中心的な作曲家であった4人のJ.S.バッハの息子達の中から、長男のW.F.バッハ(1710年〜1784年)と次男のC.P.E.バッハ(1714年〜1788年)の曲の演奏もします。
 追加公演では、各演奏者が独奏でバロック音楽の時代(17c.〜18c.中頃)の他の作曲家の演奏をします。

※演奏会終了後の追加公演の申込要件は、当日の演奏会をお聴きになられた方です。

開催日時 2019年11月2日(土)、3日(日) 共に開演14時(開場13時30分)
     なお、各日の追加公演は、演奏会終了40分後に開演します。

会  場 佐保山茶論 鶯鳴館  

定  員 50名 ※要予約 ※追加公演の申し込みは当日演奏会終了後承ります。

料  金 3,500円/日、追加公演1,500円/日 ※当日の受付にてお支払願います。

お申込はこちら
※備考欄に申し込まれる開催日と人数を記載して下さい。

◇各日の演奏曲目
11/2(土)
J.S.バッハ:ガンバソナタ 全3曲 BWV1027,1028,1029 / J.S.バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998 / J.S.バッハ:ファンタジア イ短調 BWV922

(追加公演:ヴィオラ・ダ・ガンバ独奏)
J.シェンク(1660-after 1716):「ドナウ河のこだま」Op.9より、ソナタ 第6番 イ短調 / G.P.テレマン(1681-1767):「忠実な音楽の師」より、ソナタ ニ長調 / C.F.アーベル(1723-1787):「ガンバのための27の小品」より、WKO205,209,208


11/3(日)
C.P.E.バッハ:ガンバソナタ Wq88,136 / W.F.バッハ:12のポロネーズ / J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より、前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 BWV849 / J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻より、前奏曲とフーガ ホ長調 BWV878 / J.S.バッハ:ファンタジアハ短調 BWV906

(追加公演:チェンバロ独奏)
フランソワ・クープラン(1668-1733):『第21オルドル』(慕われる王妃、跳躍、クープラン、ハープ、小さな皮肉屋) 、『第14オルドル』より(恋の夜鳴きうぐいす、嘆くむしくいたち)、『クラヴサン奏法』よりプレリュード第5番、『第5オルドル』より(アルマンド「ラ・ロジヴィエール」、クーラント、サラバンド「危険」、フローラ、波)

◇プロフィール
Photo by 森下 恭
品川 聖 Hijiri Shinagawa ヴィオラ・ダ・ガンバ
桐朋学園大学およびブリュッセル王立音楽院卒業。ヴィーラント・クイケン氏ほかに師事。
留学中の2001年、信州でのソロ・デビュー以来、全国各地でコンサート活動を展開。2006年より「J.S.バッハ:ガンバ・ソナタ全曲」のコンサートを毎年開催。近年は活動の場を広げ、2015年NHK BSプレミアム「新日本風土記〜上高地」に出演。2016年松本と上高地で開催された第1回「山の日」記念全国大会において、皇太子殿下(現・天皇陛下)の御前でソロ演奏を披露。これまでに4枚のソロCDをリリース。東京古典楽器センター講師、日本ベルギー学会会員。


中川 岳Gaku Nakagawa チェンバロ
1993年三重県生まれ。4歳よりピアノを始める。2014年東京大学在学中に第27回国際古楽コンクール<山梨>鍵盤楽器部門で第1位(チェンバロ)を受賞。2016年夏より10ヵ月間ドイツのヴュルツブルク音楽大学にてグレン・ウィルソン氏にチェンバロを師事。留学中にチェンバロソロのCDを録音し、2018年5月にナクソスより『テレマン:6つの序曲TWV 32:5-10』としてリリースされた。2018年9月より「J.S.バッハ:チェンバロ作品全曲演奏会」シリーズを開始。演奏会情報 https://gakurecital.wixsite.com/home

フェルメール時代のリュート音楽 (2019.9.28終了)
後援 奈良県・奈良市・オランダ王国大使館

 
佐藤豊彦

11コース フランス式バロックリュート
(ガット弦を使用)

17世紀オランダ黄金期の画家フェルメールと同時代に活躍したオランダ唯一の歴史的バロックリュート奏者ヨハネス・フレズノー。
数年前に見つかったフレズノーの作品を世界を代表するリュート奏者佐藤豊彦が本邦初演しました。
フレズノーの他に同時代のフランスのリュート奏者である老ゴーティエ、デュフォーとムートンの作品を演奏しました。




お客様のご感想(アンケートより)

●アットホームなお話をお聞き出来て良かった。

●とても会場が良かった。オランダにフレズリーという作曲家がいたことが3年前にわかり、意外といい曲を残しているのが分かった。

●またリュートを聴いてみたい。トークも楽しかった。古い楽器は弾いていると前の奏者の存在があるというお話。

●とても良かったです。また来ます。

●お話がとても興味を覚えました。長く続けて下さい。

●初めてリュートの生音を聴かせていただき感激しました。やさしく心に響く音ですね。途中で外の鳥のさえずりと一緒になってより心地良さを感じました。素敵な場所で素晴らしい音を聴かせていただきありがとうございました。

●お話も交え素敵なリュートの音が聴けて良かった。心地良いひとときの時間を過ごせました。

●シンプルなコンサート形式と空間が良かった。

●小節線の無いプレリュードの語るような音の表出に独得の印象がありました。

●時が止まったように静かなフェルメールの絵の向こう方にある、時の流れや、人の心の動きを感じた気がしました。

●心地良く聴くことが出来ました。

●いいリュートを生演奏で聴けて嬉しかったです。

●素晴らしいかった。(会場や形式を含む。)

●とても美しい音色、やさしく、悲しく、心癒されました。昔の?という感覚でなく、曲が作られた時代も、心癒すため音楽あったのかなと思いました。ムートンさんの曲は特に詩をつけて歌ったのでは?と思ってしまう位演奏したのかなぁ〜と思いました。とても楽しいひとときをありがとうございました♪♪又期会がありましたら聴きにきたいです。フレズノーの3曲目あたりから音が大きく聴こえたような気がした。温まると音が変わりますか?

●いつも演奏も話も楽しませていただいています。ありがとうございました。

●場所も楽器も初めてで、素晴らしい雰囲気とリュートの音色が良かった。

●アットホームな雰囲気が豊かな音色にマッチしていて感動した。

●散歩していて素敵な場所だと思ったから来ました。説明が詳しくて興味深かった。快い時間でした。

●茶論の雰囲気と音楽が良く合って良い時間を過ごせました。奏者のお話も楽しく、歴史の一部として納得出来ました。中々演奏家がそこまで話して下さる(知っている?)人はいないので、さすがだと思いました。

●調律に関するお話、とても興味深かったです。演奏技術だけでなく、調律についての知識や技術も大切なんだと改めて気付かされました。300年以上昔の音楽でも、我々現代人にも共感できるのは、不思議。今も昔も人間は変わらないということの証拠なんでしょうか。

●とても雰囲気が良かった。親しみやすい話し方でした。リュートの音も素晴らしい。

●先生のお話、曲、茶論の雰囲気すべて良かったです。特に老ゴーティエの曲が好きだった。ムートンの曲も変化に富んでいて好きでした。リュートの話しをたくさん伺って耳も慣れてきた最後にもう一度フレズノーの曲お聴き出来、うれしくすばらしかったです。


曲  目
◇Johennes Fresneau フレズノー(1615/16‐1696以前)
Suite in A-major組曲 Aメジャー・F#マイナー
Préludeプレリュード / Tombeauトンボー / Couranteクーラント/ Sarabandeサラバンド / Gigueジグ
Les Larmes de DeFresnaeu フレズノーの涙

◇Vieux Gaultier (Ennemond Gaultier) 老ゴーティエ (1575‐1651)
Suite in F#-minor/A-major 組曲 F#マイナー・Aメジャー
Allemande, la Pompe funèbreアルマンド「葬送」/ La Pleureuse Couranteクーラント「泣き女」/ Sarabandeサラバンド / La Cheèvre (Canarie)カナリー「雌山羊」

◇François Dufaut デュフォー (1604以前‐1682以前)
Suite in A-minor 組曲 Aマイナー
Préludeプレリュード / Allemandeアルマンド / Couranteクーラント / Sarabandeサラバンド / Gigueジグ

◇Charles Mouton ムートン(ca.1626 - ca.1720)
Suite in C-minor 組曲 Cマイナー
Tombeau de Madame Pavanneパヴァーヌ「貴婦人に捧げるトンボー」/ La Deliberée Couranteクーラント「毅然とした女性」/ La Bergere Sarabandeサラバンド「羊飼いの娘」/ La libertin Canarieカナリー「自由思想の女性」


フェルメール時代のリュート音楽

〜フェルメール作「窓辺でリュートを弾く女」が奏している曲の謎に迫る〜

〜9月発売されるCD「IKI=Brisé」について〜

〜ガット弦について〜

元オランダ王立ハーグ音楽院教授 佐藤豊彦



 数年前にオランダ唯一の歴史的バロックリュート奏者ヨハネス・フレズノーの作品が見つかり、昨年私はそれをCD(2019年9月発売予定)に録音しました。フレズノーは1616年か17年にフランスで生まれ、オランダに移住して活躍し、1696年以前にオランダの大学町ライデンで亡くなっています。彼の作品はコンサートでは今回が本邦初演です。
 1632年にオランダのデルフトに生まれて1675年に亡くなったフェルメールに「窓辺でリュートを弾く女」と言う絵があります。この絵のリュートが11コースのいわゆるフランス式バロックリュートと呼ばれるもので、この女性はフレズノーの曲を弾いているに違いありません。フレズノーのお弟子さんである可能性も高いです。当時、他にオランダではこの種のリュートを習う方法が無かったからです。デルフトは私が住んだハーグの町からは歩ける距離で、ライデンも冬にはスケートを履いて運河を滑って行ける距離にあります。

 CDにはフレズノーの他に同時代のフランスのリュート奏者である老ゴーティエ、デュフォーとムートンの作品も収録されています。タイトルは「IKI=Brisé」です。Briséは直訳すれば風(靡き)ですが、ここでの意味はむしろ禅の自然(じねん)共通すると思います。つまり右から風が吹けば私は左に靡き、左から吹けば右に靡く。どこにも居ないけれどどこにでも居る。これは「いき」にも共通します。
 「いき」は江戸時代(1603年以降)に生まれた美的感覚です。究極は歌麿の絵にみられるもので、ヨーロッパのバロック期に於けるルーベンスなどの描くグラマーな女性の肉体美とは反対にほっそりとしたしなやかな女性の美しさを表現したものです。音楽の主流も17世紀には大掛かりになり、派手でスピード感やボリューム感も増えてきますが、リュートはむしろ逆の方向へ進んで行きます。日本の茶室文化にも似ています。その意味ではほとんど小さな絵しか描かなかったフェルメールとも共通していると言えるのではないでしょうか。

 なお、使用する弦は当時同様、羊の腸を捩って作ったガット弦です。ガット弦は温度や湿度に敏感で扱いが大変なので、今日ではほとんど使われていません。しかし、その特性はナイロンやカーボンなどの合成樹脂では補えません。ナイロンやカーボン弦でもリュートを歌わせることは問題なく出来ますが、語らせることは出来ません。ヨーロッパの古い音楽はその各々の言語に基づいて作られています。従って歌うだけでは二次元の表現で終わってしまいます。語ることが出来れば、それが立体化した三次元の表現になります。これがガット弦の特性です。分かりやすく言えば、合成樹脂の弦は均一な音が出せます。強弱を付けて綺麗に歌うことができますが、平面的(つまり二次元)で退屈です。ガット弦は一音一音が異なります。言わば不均等ですが、それが言葉になって語りかけてくれます。演奏技術も、今日のピアノやギターではどの指も均等な音が出せる訓練をしますが、それと正反対に、リュートでは各指が異なった役割の音を出す訓練をします。


佐藤豊彦Toyohiko Satoh プロフィール

世界を代表するリュート奏者として活動する佐藤豊彦は、1968年にスイスへ留学し、1971年に世界初のバロックリュートLPをスイスで録音してデビュー。1973年にはオランダ王立ハーグ音楽院の教授に抜擢され、2005年に退官するまでの30年以上、世界各国で活躍する数多くの後輩リュート奏者を育てた。1982年のカーネギーホールでのリサイタルは、ニューヨークタイムズに写真入で絶賛を博した。30枚近いソロLP,CD、そして数えきれない程のアンサンブルでの録音の中には1980年にオランダでエジソン賞、同年に文化庁芸術祭賞、1983年と2008年にはレコード・アカデミー賞など、多くの受賞がある。作曲家としても世界各地の現代音楽祭に参加し、自作品によるCDも3枚ある。バロックリュート教則本を始め、リュート現代音楽カタログ、自作品や編曲集などの楽譜の出版物もある。2000年には「リュート&アーリーギターソサエティ・ジャパン」の会長に就任し、特に日本に於けるリュート奏者、製作者、愛好家の普及に貢献すべく力を入れている。さらに音楽家のための禅茶道「楽禅古流」と気功「楽禅式呼吸法」を考案し、能楽を学び、伝統的な日本の精神文化との融合を目指して、現在も国際的に活動を続けている。1943年生れ。


佐藤豊彦に関する詳細情報は
リュート愛好家のWebsite「朝歌:CHOKA」に掲載されています。

「朝歌:CHOKA」のHPはこちら

An Evening Hymn 夕べの賛歌〜リュートと一体化する17世紀歌唱の妙技〜(2019.6.8&9終了)
後援 奈良県、奈良市、リュート&アーリーギターソサエティ・ジャパン

加藤佳代子(ソプラノ)

櫻田 亨 (アーチリュート)

佐藤豊彦 (ナビゲーター)



元オランダ王立ハーグ音楽院教授佐藤豊彦による曲目解説の進行で、加藤佳代子の暖かく美しい声と、櫻田亨のガット弦のアーチリュートによるニュアンスに溢れたコンティヌオとの絶妙な組み合わせの響きとこれらの歌に関連したソロ曲の演奏を十分堪能しました。




お客様のご感想(アンケートより)


6/8
●歌とリュートの組み合わせは素朴で癒されます。イギリスの曲の方が日本人になじみやすいかもと思いました。

●歌もリュートも素晴らしかったです。かぶりつきで聴く機会はなかなかありません。感激しました。

●とても贅沢なひと時を過ごさせていただきました。

●贅沢な雰囲気・音響で聴けて嬉かった。

●美しい声、ささやくように歌うのを聴くと気持ちが落ち着く感じ。時々外から鶯の鳴き声が聞こえてとても良いコンサートでした。

●歌とリュートがとてもよく共鳴して素晴らしいひと時でした。

●リュートとソプラノの声がとてもマッチしていてリッチな時間を過ごすことが出来て幸せな時間をありがとうございました。リッチな気分を鶯の鳴き声と共に過ごせました。

●リュートとソプラノの響き(からみというか組み合わせ)良かったです。しっとりとして美しかった。リュートは初めて聴きました。歌との組み合わせはとってもしっくり落ち着いた気持ちになりました。

●とても会場が良かった。

●素敵な午後の時間を過ごせました。また聴きたいと思います。佐藤先生の解説もとても良かった。

●演奏、ナビゲーション、会場の全てが良かった。とても心豊かになりました。

●櫻田さんのリュートを初めて聴かせてもらいました。加藤さんのソプラノと共に繊細で色っぽい演奏にほれぼれしました。もちろん佐藤先生のナビゲートもとても楽しく聞かせていただきました。佐保山の初夏にマッチした素晴らしいコンサートでした。

●会場、演奏、奏者との距離が良かったです。古楽にぴったりの会場。リュートの響き、古楽の歌唱スタイルによる歌。とても美しくゆったりとした時間を楽しめました。解説も分かりやすく良かったです。

●全て良く、時々ソプラノの加藤佳代子さんが歌っている間に外から鶯の鳴き声が自然に聞こえて新緑の中でうっとりとした気持ちになりました。ナビゲーターの解説も心地良く聞けました。短時間でしたが素晴らしいひと時を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

●イギリスの曲が声とも相まって良かった。アンコールの曲も繊細な声と良く合っていて美しかった。佐藤さんのナビゲートがあることでその時代の音楽へ理解も深まったと思う。

●美しい歌声とリュートの音色のひと時。ほんとうにありがとうございました。

6/9
●美しい歌声とリュートの音色のひと時。ほんとうにありがとうございました。

●とても雰囲気が良かった。

●2階席で聴かせていただきましたが、まるで自分の膝元から音が聴こえてくるような感じでした。

●すばらしい音楽と共に時間を過ごすことが出来て良かった。

●リュートが身近に感じられた。

●2日共拝聴いたしました。1日目と2日目で演奏者のポジションが変わりましたが、2日目の方が断然良かったです。加藤さんのソプラノが柔らかく広がり、櫻田さんのアーチリュートとのバランスが良く、微妙なニュアンスが伝わってきました。この会場はソプラノコンサートも素晴らしいです。

※主催者より:このお客様は両日とも1階席の一番前の席で聴かれました。今回の演奏会から2階席の両側に反響板を設置しましたので、1日目の演奏者のポジションは今までより1メートル50冂度前にしました。1日目の演奏会終了後、いつも2階席に座られているお客様に今回の2階席の音響についての感想を伺ったところ、これまでのポジションで良かったのではないかと思い、2日目はこれまでのポジションに戻しました。そのお客様は2日目もお越しになられましたので、2日目の音響について感想を伺いましたら、2日目の方が響きは断然良かったと言われました。主催者の私は2日共1階席で、1日目は一番後ろの席で、2日目は一番前の席で聴きましたので正確には比較出来ませんので、今回のお客様のご意見ありがたく思います。今後演奏のポジションはいつものポジション(今回の2日目のポジション)で行います。

●演奏も解説も良かったですが、意外と解説が話題豊富とても面白かった。女性のソロは割合苦手意識がありましたが歌声というか歌い方がとても好きです。

●リュートにぴったりのホールで素晴らしいです。

●歌もリュートも全て良かったです。カッチーニ、鶯の鳴き声との共演が良かったです。お二人には是非また来ていただきたいです。

●古楽の曲をあまり聴いたことがなくとても新鮮でした!木々が揺れる様子や鶯のさえずりと共にとても高尚な休日を過ごせました!

●会場と曲、歌のマッチングが良かった。CDとは違う生演奏が素晴らしかった。

●演奏、歌、解説全てに色、表情があって豊かになりました。ありがとうございました。


◇プログラム

2019/6/8 Saturday
*イタリア
あの蔑みの眼差し クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643) / ああ、つまづき倒れる私クラウディオ・モンテヴェルディ / <リュートソロ>ガリアルダ ラ・クラウディアーナ ピエトロ・パオロ・メリイ(Vezezia 1614) / どうか戻ってきておくれ、私の幼子よ ジュリオ・カッチーニ(1545-1618) / 麗しい真紅のバラよ ジュリオ・カッチーニ / 我が魂よ、今こそ別れの時 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643)
*イギリス
変わることのない愛 ニコラス・ラニエー(1588-1666) / クラローナ ジョン・ブロウ (1649-1708) / <リュートソロ>エアと角笛 ヘンリー・パーセル(1659-1695)編曲:佐藤豊彦 / つかの間の音楽 ヘンリー・パーセル / 夕べの賛歌 ヘンリー・パーセル
(アンコール)
楽しもう、甘美なやすらぎを ミシェル・ランベール(1610-1696)

2019/6/9 Sunday
*イギリス
夕べの賛歌 ヘンリー・パーセル(1659-1695) / つかの間の音楽 ヘンリー・パーセ / 変わることのない愛 ニコラス・ラニエー(1588-1666) / クラローナ  ジョン・ブロウ(1649-1708) / <リュートソロ>エアと角笛 ヘンリー・パーセル 編曲:佐藤豊彦 
*イタリア
どうか戻ってきておくれ、私の幼子よ ジュリオ・カッチーニ(1545-1618) / <リュートソロ>ガリアルダ ラ・クラウディアーナ  ピエトロ・パオロ・メリイ(Vezezia 1614) / 我が魂よ、今こそ別れの時 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643)
*フランス
<リュートソロ>アントレー第3番 ロベール・バラール(Paris 1611) / ため息をつくような人間をやめよ ピエール・ゲドロン(ca.1570-ca.1620)/ 楽しもう、甘美なやすらぎを ミシェル・ランベール(1610-1696)
(アンコール)
ああ、つまづき倒れる私 クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)

◇プロフィール

加藤佳代子 Kayoko Kato
名古屋音楽大学、オランダ国立ズボレ音楽院声楽科卒業。同ティルブルグ音楽院古楽アンサンブル科にて学ぶ。ソリストディプロマ、教育者ディプロマ取得。グレゴリオ聖歌から現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、バロックオペラ「オルフェオ」、エールドクール、フランドル楽派宗教曲などでオランダ国営テレビ、ラジオに出演。リサイタル「小鳥のうた〜リュートソング」「ソプラノとチェンバロによるイギリスバロック音楽」「A.ヴィヴァルディ〜イタリアバロックの祝祭音楽」を開催。東海バロックプロジェクトオペラ制作委員会による あいちトリエンナーレ2016舞台芸術公募プログム公演バロックオペラ「ポッペアの戴冠」タイトルロールにて好評を博す。同公演は名古屋音楽ペンクラブ賞を受賞。モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」、ペルゴレージ「スタバート・マーテル」他、古楽器との共演多数。東海バロックプロジェクトメンバー。


櫻田 亨 Toru Sakurada
日本ギター専門学校でギターを学んだ後、オランダ王立ハーグ音楽院でリュートを佐藤豊彦に師事。リュート、テオルボ、ビウェラ、バロックギター、19Cギターなどの撥弦楽器を幅広く演奏し、時代やその音楽にふさわしい使い分けを行っている。すべての楽器にガット弦を用いて歴史的な表現を引き出す演奏スタイルは世界でもまだ数少ない。ソリストのみならず、コンティヌオ奏者としてもその柔軟な対応力は多くの共演者から信頼を集めている。リュート&アーリーギターソサエティ・ジャパン事務局長。「やすらぎのガット・7つの響き(Variety of Lute Collections)」が初のソロCD。2枚目の「皇帝のビウェラ・市民のリュート」はレコード芸術誌「準特選盤」。その後は、のすたるぢあレーベルから佐藤豊彦・佐藤美紀と共に「3台のリュートによるデュエット」CDを、ソロCDとして「パッヘルベル 恋人のため息」「テオルボの音楽」をリリース。これらのCDも「準特選盤」となる。2017年発売の三重奏CD「ネーデルランドのリュート音楽」が、「特選盤」に選ばれる。


佐藤豊彦 Toyohiko Satoh
世界を代表するリュート奏者として活動する佐藤豊彦は、1968年にスイスへ留学し、1971年に世界初のバロックリュートLPをスイスで録音してデビュー。1973年にはオランダ王立ハーグ音楽院の教授に抜擢され、2005年に退官するまでの30年以上、世界各国で活躍する数多くの後輩リュート奏者を育てた。1982年のカーネギーホールでのリサイタルは、ニューヨークタイムズに写真入で絶賛を博した。30枚近いソロLP,CD、そして数えきれない程のアンサンブルでの録音の中には1980年にオランダでエジソン賞、同年に文化庁芸術祭賞、1983年と2008年にはレコード・アカデミー賞など、多くの受賞がある。
作曲家としても世界各地の現代音楽祭に参加し、自作品によるCDも3枚ある。バロックリュート教則本を始め、リュート現代音楽カタログ、自作品や編曲集などの楽譜の出版物もある。2000年には「リュート&アーリーギターソサエティ・ジャパン」の会長に就任し、特に日本に於けるリュート奏者、製作者、愛好家の普及に貢献すべく力を入れている。さらに音楽家のための禅茶道「楽禅古流」と気功「楽禅式呼吸法」を考案し、能楽を学び、伝統的な日本の精神文化との融合を目指して、現在も国際的に活動を続けている。1943年生れ。


◇CD「夕べの賛歌」の発売記念コンサートによせて  

元オランダ王立ハーグ音楽院教授 佐藤豊彦



 オランダで古楽歌唱法を学んだソプラノ加藤佳代子さんと同じくオランダでリュートを学んだ櫻田亨さんによる17世紀ヨーロッパの歌とリュートのコンサートです。過去半世紀近くオランダが古楽のメッカであったことはご存知の方も多いと思います。今では古楽は日本にすっかり定着しています。しかし、ガット弦使用のリュートと歌の組み合わせによるコンサートや録音は今までも稀にしか行われていません。ガット弦という自然の素材と人間の声との融合はニュアンスに富んだ暖かい、溶け合う響きがあります。これは、合成樹脂の弦との組み合わせでは作れないものです。
 今回のコンティヌオ(通奏低音)にはアーチリュートが使われます。これは普通のルネサンス調弦によるリュートに長い竿(=弓=アーチ)に張られた数多くの低音弦を持つ楽器です。主に17世紀に歌の伴奏などに使われました。コンサート1日目の曲目はイタリアとイギリスです。そして2日目はイギリスとフランスの曲目です。歌とリュートの組み合わせによる演奏は、単純に「歌と伴奏」と言う考えでは成り立ちません。歌い手がリュートの小さい音に耳を傾けながら、その中に溶け込んで一体になるように歌わなくては美しく作り上げることが出来ないのです。同時に聴く方もかしこまって受け止めるのではなく、加藤さんの暖かく美しい声と、櫻田さんのガット弦のアーチリュートによるニュアンスに溢れたコンティヌオとの絶妙な組み合わせの響きの中に溶け込んで酔って頂けたらと思います。アーチリュートによる、これらの歌に関連したソロ曲もいくつか演奏されます。
 櫻田さんにはすでに数多くのソロやアンサンブルのCDがありますが、コンサートでは豊富な経験のある加藤さんにとっては初めてのCD「夕べの賛歌」の発売記念コンサートでもあります。

武久源造式 バロック音楽の楽しみ (2019.3.23&24終了)
後援 奈良市

武久源造(フォルテピアノ、チェンバロ) 

ゲスト出演 山口眞理子(バロック・ヴァイオリン、チェンバロ)
 
使用楽器

        フォルテピアノ(ジルバーマン・モデル)
        チェンバロ(フレンチ・フレミッシュ・モデル)
        バロック・ヴァイオリン


現代最高のピリオド鍵盤楽器(オルガン、チェンバロ、フォルテピアノ等)奏者の一人で各種鍵盤楽器を縦横に駆使し西欧古楽を新しく革新的に今に甦らせる武久源造が「愛と戦い」、「自然と宇宙」をバロック音楽の演奏で語りました。武久源造の門下生でヴァイオリンと鍵盤楽器を駆使して新しい音楽を表現をすることに挑み続けている山口眞理子がゲスト出演することで演出に一層の光彩が放たれました。




お客様のご感想(アンケートより)

●スキタイ人の行進、音色の変化が効果的で劇的で素晴らしかったです。チェンバロの演奏でしか聴いたことがなかったので驚きました。以前から武久さんにはスキタイ人のような曲が合うと思っていましたが、もちろんバッハも素晴らしいです。シャコンヌ、最高です!久しぶりに佐保山茶論にお邪魔しました。武久さんも本当に生で聴けるチャンスは少ないので嬉しかったです。また佐保山茶論に来て頂きたいと思います。庭の小鳥たちも一緒に合奏してくれる会場はとても貴重だと思います。武久源造さんは演奏もお話もとても楽しいです。CDも持っていますが、生の演奏はつややかな音色で美しく感動しました。

●初めて聴いたチェンバロの独特のテクニックはすごく新鮮でした。

●演奏を聴かせていただき感謝です。こんななつかしい哀愁のある音楽があるなんて感心しました。これからもいろんなジャンルの音楽をよろしくお願いします。

●素晴らしい響きでした。

●とても音楽の解説が良かった。

●演奏家との距離感と音の響きがとても良かった。

●F.クープランの一連の曲を聴いていると絵が浮かぶようです。武久氏編曲によるバッハのシャコンヌはジルバーマンピアノのために作られたことがよく分かる演奏でした。アンコールで演奏された武久氏作曲のいろは歌は素晴らしいの一言。日本人の美意識が見事に体現されている。最後の一音が、鶴が飛び立つ瞬間のようにあざやか。音楽の感動は言葉に出来ないと思います。無理に言葉にしようとすると感動が壊れてしまう。今回の演奏を聴いて初めてそのように感じました。

●とても会場の雰囲気と音響、音楽、お話が良かった。心落ち着く雰囲気の中、いろんな音にワクワクしたり包まれたり、贅沢な時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございました。

●とても演奏、お話、会場が良かった。

●ヴァイオリンと合わさった時に調べがとても変わるのが聴いていて楽しかった。

●全て(奏者、楽器、曲!!)が良かった。武久源造さんをこんな間近で聴けるなんてすごく感動しています。年末に謀大ホールでチェンバロの演奏を聴きましたが、やはりチェンバロにはホールが大き過ぎて今日のようなリアリティがイマイチでした。チェンバロという楽器の素晴らしさを再確認しました。ジルバーマンもおもしろい!!武久さんの演奏で聴くと両楽器ともハープのように聞こえてきて、ビックリしました。モダンピアノではとても出来ないですよね。アンコールのゴールドベルクのアリア、泣きそうになりました!!

●穏やかなタッチも激しい曲も良かったです。ジルバーマンの音色、ピアノともチェンバロとも違い、いい音でした。

●この規模の会場で聴けるのが大変有難い。武久さんの声とお話が大変好きです。お話を交えての演奏で一層興味深く聴くことが出来ました。初めて聴くジルバーマンピアノ、まるみのある音、音色が変化するところ、とても魅力的です。もっとこの楽器での演奏を聴きたいです。演奏はうまく言葉になりませんが、包容力?深く柔らかい広がりに引き込まれました。

●お話と音楽が合わさって分かりやすく、わくわくして聴けたのが良かった。武久先生の演奏は特別なものではなくて、お話の延長で当たり前のことなのだと感じた。フォルテピアノの音色がくるくると変化し、初めて聴いたけれど面白さが伝わった。一台で様々な表現が出来、バッハも思いを形に出来たのだろうなあと思った。

●とてもウキウキした気持ちになった。フォルテピアノ、すげー。

●武久源造先生のフォルテピアノの音色の美しさと不思議感そして先生ご自身、山口眞理子先生の美しいヴァイオリンの音色が良かったです。アンコール曲のいろはにほへとは日本の原風景、いえ東洋思想の原風景、万葉世界、佐保山、平城山世界をも含むすべてに通ずる美しさへの憧憬、繊細な感性の重なり深く心にしみ入りました。演奏の合間にお話し下さる武久先生の音楽世界(バッハの悲しみ、イエスの悲しみ、喜び、etc)をコンサート初の私達にお届け下さる深い思いに感動熱く致しました。明日の演奏会を又楽しみに。合掌。

●ゴルトベルクは武久先生のCDを時々聴いています。生で(アリアをアンコールで)目の前で弾いていただけて感動しました。アンコールの最後の曲(バッハ=武久 シャコンヌ)が情熱的で素晴らしかったです。お話もおもしろくて勉強になりました。

●昨日に続き素晴らしい演奏の時を頂きましてありがとうございました。音を通して武久先生の精神世界にすっぽり包んで頂きました。アンコールでのアクアベリターティス(真実の水)第3番の美しい音色(ヴァイオリンとフォルテピアノ)に先生の霊性に触れた思いがしました。武久先生の演奏の合間にお話し下さる事が何より嬉しゅうございました。是非是非またの演奏を心よりお待ち申し上げております。二日間珠玉の時を有難うございました。一緒に聴きに来た孫息子は早速練習希望曲に昨日の何曲かをピアノの先生に知らせていました。少年よ大志を抱いてと願います。贅沢なプライベートコンサートをありがとうございました。深謝合掌。

●バッハの頃の音楽の楽しみ方、フーガの意味など良く分かった。鳥の曲を演奏中、外で鳥が鳴いていた。

●武久先生が「古い音楽を演奏するためだけに古楽器を使うのでは不充分で、新しいことに挑戦してはじめて現代の我々が古楽器を使う意味が出てくる。」というお話をされ、それが印象に残っています。演奏技術も素晴らしい。最後は楽器が火を噴くんじゃないかと思うほどの熱演でした。

●2日間大変いい時間でした。こんなに精魂傾けて(!?)演奏に聴き向かったのは初めてです。今日はたくさん弾いて下さってありがとうございました。ジルバーマンピアノの音、大変魅力があります。また伺います。

●フランスの作曲家の音楽は装飾音がたくさんついていて典雅で美しいなと思いました。“年老いた伊達男と時代遅れの守銭奴”ずっと聴いてみたいと思っていたものが今日聴くことが出来て良かったです。お話を交えながらの演奏会、とても有意義で良かったです。
楽器の調律の場面もとても興味深かったです。ジルバーマンピアノの音色、とても澄んでいて美しく、素晴らしかったです。Bach、天上の音楽のようでした。

●コンセプトも選曲もお話も演奏も素晴らしく良かった!!です。初めての佐保山茶論でのコンサートで10年ぶりに武久先生の演奏を拝聴出来て感動のひとときでした。ありがとうございます!!感涙

●演奏家が間近で演奏されるのを聴ける演奏空間が良かった。フォルテピアノの音色は力強いが柔らかく広がりがあって今のピアノよりも豊かに思いました。

●ライブは良いですね。武久先生が作曲された曲(アクアべーリタス第3番)が好きでした。流れる音が心地良かったです。素晴らしい演奏会でした。

●ほんとうに感動しました。ありがとうございました。

●ジルバーマンピアノの音が良かった。あまり身体を動かさずにきっちり演奏されている印象でした。話が楽しかったです。


武久源造式 バロック音楽の楽しみ #1
「愛と戦いの音楽」
愛と戦い、それは、人間の行動の二大要素であります。それは、古今東西の音楽のテーマであり続けていますが、特に、バロック時代において、作曲家たちは、陰に陽に、このテーマに基づく名曲の数々を産みだしました。その中の代表的な作品をじっくりとお楽しみいただきました。
プログラム
1. F.クープラン:第14オルドルより恋するウグイス、第6オルドルより恋やつれ、神秘の障壁、田園詩
2.D.カステッロ:ヴァイオリン・ソナタ第1番
3.J.クーナウ:聖書ソナタ第1番「ダヴィデとゴリアテの戦い」
(休 憩)
4.J.N.P.ロワイエ:スキタイ人の行進
5.J.P.ラモー:恋の嘆き
6.J.S.バッハ:適正律鍵盤曲集より前奏曲とフーガイ短調BWV889
7.J.S.バッハ:パルティータ第2番ニ短調BWV1004よりシャコンヌ(武久源造編曲)
(アンコール)
●武久源造:いろはにほへと
●J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲よりアリア

武久源造式 バロック音楽の楽しみ #2
「自然と宇宙の音楽」
我々の身の回りの自然と遠い宇宙、これらは、いつの世でも、人間の好奇心の的であり、夢の源泉であり続けました。バロック時代の作曲家たちは、それをどのように音楽に表したでしょうか。このテーマに沿って、様々な角度から選曲された作品をじっくりとお楽しみいただきました。
プログラム
1.J.C.ケルル:カプリッチョ カッコー
2.H.I.F.ビーバー:描写ソナタ
3.F.クープラン:第6オルドルより収穫祭・羽虫、第18オルドルよりティクトクショク、第13オルドルよりフランスのフォリア
4.J.P.ラモー:雌鶏 
(休 憩)
5.J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007よりプレリュード(武久源造編曲)、適正律鍵盤曲集 第2巻より前奏曲とフーガハ長調BWV870、第1巻より前奏曲とフーガハ長調BWV846
6.J.S.バッハ:2台の鍵盤楽器のための協奏曲BWV1061
(アンコール)
●武久源造:アクアヴェリターティス第3番
●J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲よりアリア
●J.S.バッハ:パルティータ第2番ニ短調 BWV1004よりシャコンヌ(武久源造編曲)

◇プロフィール

武久源造 Genzoh Takehisa
(オルガン、チェンバロ、ピアノ、指揮、作曲)

 1957年生まれ。1984年東京芸術大学大学院音楽研究科修了。研究テーマは、主にバッハ以前の音楽におけるDispositioについて。チェンバロ、ピアノ、オルガンを中心に各種鍵盤楽器を駆使して中世から現代まで幅広いジャンルにわたり様々なレパートリーを持つ。特にブクステフーデ、バッハなどのドイツ鍵盤作品では、その独特で的確な解釈に国内外から熱心な支持が寄せられている。また、作曲、編曲作品を発表し好評を得ている。音楽的解釈とともに、楽器製作の過程についても造詣が深く、楽器の構造的特色を最大限に引き出す演奏が、楽器製作家たちからも高く評価されている。91年「国際チェンバロ製作家コンテスト」(アメリカ・アトランタ)、また97年および01年、第7回および第11回「古楽コンクール」(山梨)、ほか多数のコンクールに審査員として招かれる。ソロでの活動とともに、00年に器楽・声楽アンサンブル「コンヴェルスム・ムジクム」を結成し、指揮・編曲活動にも力を注ぎ、常に新しく、また充実した音楽を追求し続けている。02年から毎年、韓国からの招請による「コンヴェルスム・ムジクム韓国公演」を行い、両国の音楽文化の交流に大きな役割を果たした。2013年、ラモーの抒情喜劇『レ・パラダン』の日本人による初演を指揮して、絶賛を博する。また、近年、毎年、ヨーロッパ各国(ドイツ、リトアニア、アイスランド、スウェーデン等)で、即興演奏を含む多彩なプログラムによって、オルガン、チェンバロ、ピアノその他の楽器を使った・コンサートを行い、注目を集めている。2018年、7月、ドイツ・シュタインフェルトでのバジリカ・オルガンを使ったコンサートでは、山口眞理子との共演で、自作の「アクア・ベリターティス」を発表。好評を得る。
 91年よりプロデュースも含め40作品以上のCDをALMRECORDSよりリリース。中でも「鍵盤音楽の領域」(Vol.1~9)、チェンバロによる「ゴールトベルク変奏曲」、「J.S.バッハオルガン作品集Vol.1」、オルガン作品集「最愛のイエスよ」、ほか多数の作品が、「レコード芸術」誌の特選盤となる快挙を成し遂げている。2015年、ジルバーマン・ピアノによるJ. S. バッハ「パルティータ」の世界初の全曲録音をリリース。2016年3月には、2度目のゴールトベルク変奏曲の録音をリリース。ここでは、日本で初めて16ft弦付チェンバロによって、ゴールトベルクの新しい可能性を切り開いている。さらに、同年、市瀬玲子との共演によって、バッハのガンバ・ソナタ全曲を、ジルバーマン・ピアノとチェンバロを使い分けて録音し、発表。2017年4月、やはり、ジルバーマン・ピアノとペダル付チェンバロを使い分けて、バッハの《平均律》全曲録音を始動。4部作の第一〜三弾を発表。その際、従来誤訳として議論されてきた《平均律》を《適正律》と改めた。これらの新作CDは共に、レコード芸術誌の特選盤となる。
 02年、著書「新しい人は新しい音楽をする」(アルク出版企画)を出版。各方面から注目を集め、好評を得ている。05年より鍵盤楽器の新領域とも言えるシンフォニーのピアノ連弾版に取り組み多方面から注目を集めている。学生時代から数多く放送に出演し、演奏やレクチャー、解説などを担当した。特に、06年NHK第一ラジオ「ときめきカルチャー」コーナーに年間を通して出演。その後もNHKのカルチャー・ラジオのシリーズで何度かレクチャラーを務める。1998~2010年3月フェリス女学院大学音楽学部及び同大学院講師。現在、国立音楽大学客員講師。
オフィシャルサイト http://www.genzoh.jp/index.html


山口眞理子 Mariko Yamaguchi
(オルガン、チェンバロ、バロック・ヴァイオリン)

2歳よりヴァイオリンを、東洋英和女学院在学中よりオルガンを始める。
フェリス女学院大学および同大学院音楽研究科オルガン専攻修了。
ヴァイオリンを故・鷲見康郎氏に、オルガンを武田ゆり、高橋靖子、宮本とも子、宇内千晴、三浦はつみの各氏に、オルガン・チェンバロ・バロックヴァイオリン・アンサンブルを武久源造、桐山建志両氏に、ライアーをKim Hong Chang氏に師事。
第35回オルガニスト協会新人演奏会出演。
バッハ:「マタイ受難曲」、ラモー:オペラ「レ・パラダン」、メンデルスゾーン:「パウロ」などに、バロックヴァイオリン、オルガン、ペダルチェンバロで参加。
日本福音ルーテル大森教会オルガニストを経て、現在東洋英和女学院小学部オルガニスト・講師の他、ドイツの歴史的オルガンでのコンサート等、国内外にて活動
CD:「バルダキン・オルガンの世界」ALCD1121(レコード芸術2011年4月号他特選盤)
バッハ:協奏曲集第4集「未来系バッハへの道」ALCD1127(レコード芸術2012年2月号他特選盤)
「Aqua Veritatis-真理の水-ヨーロッパの春 聖母マリアを讃えて」(東京カテドラル)


◇武久源造演奏のCD ※2015年以降に発売されたCDについて紹介


J.S.バッハ/パルティータ(全曲)
武久源造 フォルテピアノ(ジルバーマン・モデル)
レコード芸術2015年5月号 特選盤
◇(前略)ジルバーマンのフォルテピアノについて武久は「チェンバロ、クラヴィコード、ピアノフォルテ(フォルテピアノ)、3つの楽器の特質を備えている」と言うが、何はともあれ、この楽器の音色はたいへん円やかで、同時にデリケートな味わいに富む。そして、素晴らしいの一言に尽きるのが、全6曲にわたる武久の名演奏。(中略)武久は《パルティータ》各曲それぞれの特色、表現するところを鮮やかに捉え切り、奥行きの深い達演を披露しつづける。まさしく珠玉の名盤の誕生だ。(濱田滋郎氏・レコード芸術2015年5月号より)

◇(前略)ジルバーマンはシュタインなどのウィーン式アクションの楽器に比べて音色は丸く温かみがあり、オルガンでも弦楽器風の音色を好んだバッハにふさわしく、ウナ/ドゥエ・コルダ、チェンバロ・レジスターのストップを搭載している。演奏がまたすばらしい。こうした多様な音色を含めて楽器を自在に操り、しなやかに大胆に音楽を奏でているのだ。(中略)チェンバロともモダンのピアノとも、そしてこれまでのどのジルバーマンとも違う、新しいバッハ体験が得られるであろう。(那須田務氏・レコード芸術2015年5月号より)



J. S. バッハ ゴルトベルク変奏曲/14のカノン
〜いわきアリオス所蔵16フィート弦付チェンバロによる〜
武久源造(チェンバロ&ポジティーフ・オルガン)、山川節子(チェンバロ)
レコード芸術2016年3月号 特選盤
◇武久源造は以前にも《ゴルトベルク変奏曲》の秀演CDを発表していたが、このたび新たにこれを録音したのは、1台の特殊な魅力をおびたチェンバロとの出会いが機縁になってであるらしい。それは2008年にマティアス・クラマーが製作した、1754年ツェル/ハス・モデル(ドイツ)の楽器で、「16フィート弦」を用いていることが特色となっている。(中略)武久は、彼自身の言葉によれば「感情表現の上に格別な利点を持つ」この楽器を駆使して、事実、まことに感興豊かな奏楽を実現している。独特な立体感、表現に富む彼の演奏は、いつもながら伝えるところの大きいライナー・ノーツを併せ読みながら聴くにつけ、真に価値高いものと思わざるを得ない。なお、余白には1975年に発見された「《ゴルトベルク変奏曲》の<アリア>による14のカノン」が、第2のチェンバロ(山川節子)と共に収められ、武久はそこではポジティブ・オルガンも奏している。(濱田滋郎氏・レコード芸術2016年3月号より)


バッハの錬金術 Vol.1
ヴィオラ・ダ・ガンバと鍵盤楽器のためのソナタ全曲/二つのトッカータ
武久源造(チェンバロ&フォルテピアノ)、市瀬礼子(ヴィオラ・ダ・ガンバ
レコード芸術2016年10月号 特選盤
◇チェンバロやオルガンの演奏で、極めて思慮深い内容のこもった演奏で斯界から高い評価を受ける武久源造が、ピリオド楽器演奏の本場の一つであるロンドンで、多くの優れた奏者がひしめく中、王立音楽院のヴィオラ・ダ・ガンバ教授に就き、これまた高い存在感をもって活躍する市瀬礼子と、バッハの3つの《ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ》を録音した。(中略)第1番を聴いて思うのは、武久のチェンバロは、聴いているとなぜか心が澄み落ち着いてくるのを感じるということだ。音を奏でているというよりも、音で心に語りかけてくるという印象がある。ここでもその印象は全く変わらない。美しく繊細な音色とこまやかな表情が何とも素晴らしい。市瀬も武久に応えるかのように、これ見よがしなところのない、しかし過不足のない実に見事な演奏だ。これに対しフォルテピアノを使った第2番、第3番の演奏がまた素晴らしい。この楽器の音色や響きがガンバにこれほどマッチするとは。両者の心からの対話に満ちた演奏がバッハの音楽にこの上ない麗しき至福の時間をもたらしており、真に豊かな楽興と精神的充足感を感じさせる名演が成し遂げられている。(中村孝義・レコード芸術2016年10月号より)


バッハの錬金術Vol.2 #1/4
J.S.バッハ/適正律(平均律)クラヴィーア曲集第1巻より第1〜第6番をチェンバロで演奏。/同第2巻より第1〜第6番をフォルテピアノで演奏。/最後に再び同第1巻〜前奏曲とフーガ第1番が収録されていますが、これはフォルテピアノで演奏されており、チェンバロで演奏された冒頭の同曲と聴き比べるという趣向。
武久源造 ペダル・チェンバロ、フォルテピアノ(ジルバーマン・モデル) 
レコード芸術2017年5月号 特選盤
◇さすがは、こんにちの最も個性的・独創的−けっして「風変わり」という意味合いではないーな古楽鍵盤奏者、武久源造。彼がこのたび着手したJ.S.バッハ「Das Wohltemperierte Clavier」シリーズの第1枚目は、恒例の《平均律》ではなく《適正律クラヴィーア曲集》と記されている。たしかにバッハの命名は、こんにち常識的な意味での「平均律」を表わしてはいない。それは「程良く調律された」ほどの意味であり、従って武久の「適正律」にしようという提唱は全く正しい。この提唱にふさわしく、CDの作り方もまた、まったく非凡な発想によるものである。(中略)第1巻からの6曲はチェンバロ(中略)、で、第2巻からの6曲は初期フォルテピアノ(中略)と、2種の楽器により弾き分けられるのだ。さらには曲の演奏順序にまでひと工夫が設けられ、第1巻は第1番から第6番まで普通に進むが、第2巻のほうは第6番から第1番へと、逆に進められるのだ。以上の説明で紙幅は一杯となったが、演奏も、解題も実に素晴らしい。(濱田滋郎氏・レコード芸術2017年5月号より)

◇(前略)当盤ではまず「適正律」と訳し、曲によって調律を変えている。そのため曲による響きの歪は少ない。(中略)通常は感情を入れずに抽象的な音楽として扱われるフーガを、武久は修辞学的音楽的な見地から人間的で劇的な音楽と理解し、生き生きとした情感を盛り込むと同時にバロックの不均等リズムを多用してスウィングするように奏でているのだ。チェンバロによる第1巻は任意的な装飾音をふんだんに入れ、足鍵盤の重低音を加えて豊穣かつ饒舌。フォルテピアノによる第2巻は柔らかな音色で歌謡的な側面が強調される。たとえば第4番ハ短調の前奏曲は実に味わい深く、そのフーガは狂おしいほどの情念。(後略)(那須田務氏・レコード芸術2017年5月号より)



バッハの錬金術Vol.2 #2/4
J.S.バッハ/適正律(平均律)クラヴィーア曲集第1巻より第7〜第12番をチェンバロで演奏。/同第2巻より第7〜第12番をフォルテピアノで演奏。/最後に再び同第1巻の前奏曲とフーガ第8番の前奏曲が収録されていますが、これはフォルテピアノで演奏されており、チェンバロで演奏された冒頭から3曲目の同曲と聴き比べるという趣向。
武久源造 ペダル・チェンバロ、フォルテピアノ(ジルバーマン・モデル)
レコード芸術2018年2月号 特選盤
◇先に発表された、武久源造がその優れた演奏技術および音楽性とともに、ユニークな個性をも発揮したアルバム『バッハの錬金術』の第2集。(中略)当集では、第1巻から第7番〜第12番をチェンバロで、第2巻第12番〜第7番(このように順が逆になる)をフォルテピアノで、と弾き分ける。妙味については述べるスペースを失ったが、ぜひ熟読ならぬ塾聴されたいCD。(濱田滋郎氏・レコード芸術2018年2月号より)

◇(前略)高い集中度で弾かれ、内面的な深みを湛えた秀演だ。(那須田務氏・レコード芸術2018年2月号より)



バッハの錬金術Vol.2 #3/4
J.S.バッハ/適正律(平均律)クラヴィーア曲集第1巻より第13〜第18番をチェンバロで演奏。/同第2巻より第13〜第18番をフォルテピアノで演奏。
武久源造 ペダル・チェンバロ、フォルテピアノ(ジルバーマン・モデル)
レコード芸術2019年1月号 特選盤
◇武久源造は、日本有数のピリオド鍵盤楽器(チェンバロ、フォルテピアノほか)奏者であるとともに、その学識と判断力も、視力を持たぬというハンディを少しも感じさせぬまでに、広く深い。当アルバムは、その彼が進めてきたバッハ〈平均律クラヴィーア曲集〉ー納得するほかはないほど“適正な”彼の主張により、ここでは「適正律クラヴィーア曲集」と呼ばれているーの第3枚目。(中略)これまでの2点とは行き方を変え、第1巻第13番のあとに第2巻第13番、以下同様に、同番号の〈前奏曲とフーガ〉をひとまとめに続けて弾いてゆく。こうすることにより、同じ調性ー嬰ヘ長調なら嬰ヘ長調、ト短調ならト短調ーの楽曲がまとめて聴かれることになるが、それにより、聴きてはバッハがそれぞれの調に感じたところ、託したところを、よりはっきりと受け取りやすくなる。またいっぽうでは、第1巻と第2巻との相違点も、また把握しやすくなる。(中略)演奏ぶりはしばしばユニークだが、必ずそれなりの説得力を伴っており、深くうなづきながら聴き入ることが出来る。(濱田滋郎氏・レコード芸術2019年1月号より)

◇武久源造による「適正律クラヴィーア曲集」の第3集。(中略)今回は第13番から第18番までだが、並べ方を変えて第1巻の第13番に続いて第2巻の第13番、第1巻の第14番、第2巻の第14番と言うように同じ調性の曲を組み合わせている。演奏はまさに円熟の境地を感じさせるもの。第13番嬰ヘ長調の前奏曲。フレージングは自在かつ味わい深く、ペダルのずしんと響く低音が快い。フーガは声部による多彩な音色が華やか。続く第2巻の第13番はフォルテピアノ。音色も序曲風の付点リズムも柔らかい。続く第1巻第14番嬰ヘ短調はチェンバロで奏でられて荘厳かつ重厚。第2巻の方はイタリアの協奏曲を想起させるいくぶんモダンな曲だが、フォルテピアノの繊細な強弱などの表情付けが美しい。こうしてみると新しい時代の音楽である、ギャラント風ないし、ドイツ風の多感様式的な音楽のようにも聴こえて興味深い。チェンバロからフォルテピアノへと時代の趣向が変わったのも頷ける。総じて一つ一つの曲が丁寧に奏でられ、構造は明快だし、慎重に熟考された性格づけが強い説得力をもたらしている。(那須田務氏・レコード芸術2019年1月号より)


◇武久源造が山口眞理子と共演したCD

鍵盤音楽の領域 vol.9 バルダキン・オルガンの世界
武久源造(オルガン)山口眞理子(オルガン、バロック・ヴァイオリン)立岩潤三(パーカッション)
レコード芸術2011年4月号 特選盤
パイプオルガン製作者 中西光彦プロフィール     
 元奈良市立一条高校・私立東大寺学園高校国語科教諭。在職中より中世ルネッサンス音楽の演奏団体アウルコンソートの一員として活動。その関連でオルガンに関心を持って独学で知見を養う一方、退職と同時に山梨県小渕沢に1年余滞在し、草苅オルガン工房にて草苅徹夫氏の指導を受け、オルガン製作を研修した。奈良県山辺郡山添村の工房で、歴史的な小型オルガンのコピー等、主としてポジティフオルガンの製作に取り組んでいる。パイプ・鍵盤・ケース・装飾等全ての部品を自作するのが身上。日本オルガン研究会会員 ※なお、中西光彦は佐保山茶論主宰者の岡本昭彦の叔父です。

◇武久源造さんによる「鍵盤音楽の領域」の第9巻は、『バルダキン・オルガンの世界』と題して中世からルネサンスのオルガン作品35曲を収録している。(中略)作品を要領よく網羅し、加えて武久さん作の《真理の水》という清かな曲までおさめている。ルネサンス期のバルダキン(天蓋つき)オルガンの復元楽器(中西光彦さん製作)2台を弾きわけた、ひたむきで心あたたまる演奏が聴かれる。曲によって「ふいご係」の山口眞理子さんが第2オルガンやヴァイオリンを受け持ち、さらにパーカッションの立岩潤三さんが加わって、多彩な響きを添えてゆく。オルガンの音色といい、のりのよいリズムといい、充実した楽興の時を刻みこんでいる。武久さんのお言葉どおりに「オルガンによって、雄弁に語り、美しく歌い、はじけるように踊る」CDなのである。中西さんによる製作オルガンにかんするコメントも興味ふかく読める。(皆川達夫・レコード芸術2011年4月号より)

◇天蓋(バルダキン)つきのパイプ・ケースをテーブルの上に立て、片方に鍵盤を、反対側にパイプに風を送るふいごをつけたルネサンス期のオルガンをモデルに、中西光彦が製作した二つのオルガンを使っての録音。みずからアマチュアのオルガン製作者としながらも中西はスイスに残る2つのモデル楽器を精査、先行研究や関連資料を踏まえてルネサンスのオルガンの機能を蘇生させようとした。その一貫した製作理念と努力、この試みを支持した日本のオルガン製作の先達たちによる協力が、楽器とともにこのディスクを生み出した。教会堂に据え付けられた16世紀のオルガンは他にもあるが、バルダキン・オルガンの復元・録音となると、寡聞にして他の例を知らない。この貴重な試みを、音で体験できる喜びは大きい。なにより楽器の輝かしく張りのある響きと音色が魅力。むろん曲目も楽器とそのコンテクスト、時代を勘案して慎重に選ばれている。舞曲やレセルカーダなど、選曲者でもある武久源造の演奏は、それぞれの楽曲の性格や書法を、これらの楽器の機能や魅力と結びつけた的確なものだ。曲により打楽器、ヴァイオリンを加えての演奏である。そのうえ一定の風圧を維持するばかりでなく、演奏にもデリケートな影響をもつふいご操作は、製作者や録音に参加した音楽家がつとめる。多くの人々の熱意がひとつに結実したこの希有なディスクが、世界のオルガン愛好家への福音でなくて何であろうか。(美山良夫・レコード芸術2011年4月号より)



未来系バッハへの道【J. S. バッハ:協奏曲集 IV】
New Perspective on BACH

ハルモニア・インヴェントゥール
 武久源造[フォルテピアノ(ジルバーマン・モデル)/指揮] 
 飯塚直子・高橋明日香[リコーダー]
 砂山佳美[フラウト・トラヴェルソ] 
 桐山建志[バロック・ヴァイオリン]
 山口眞理子[ペダル・チェンバロ] 
 山内彩香・山口眞理子[バロック・ヴァイオリン] 
 田中千尋[バロック・ヴィオラ]
 高橋弘治[バロック・チェロ]諸岡典経[ヴィオローネ]
 

レコード芸術2012年2月号 特選盤
◇フォルテピアノによるバッハの協奏曲である。(中略)協奏曲の登場を心待ちにしていたファンも決して少なくないだろう。(中略)自身が執筆した解説の中で、「バッハのチェンバロ協奏曲をジルバーマン型のピアノフォルトで弾いてみること、それによって、これらの曲の新しい魅力がどのように開拓できるか・・」と書いている武久の意図は見事に成功しているといってよいだろう。まろやかに澄んだ粒立ち美しいフォルテピアノの音をこまやかな表現で生かすとともに、レジスターや奏法によって繊細で多彩な音色を添えた演奏には、チェンバロによるそれとはひと味もふた味も違った深く柔らかな情趣がある。チェンバロ協奏曲第6番のリコーダーや《三重協奏曲》のトラヴェルソといった木管との等質な音色感も含めて、バッハの協奏曲から様々な発見と喜びを味わうことができるし、2台のチェンバロ協奏曲でフォルテピアノとチェンバロに加えてペダル・チェンバロを使用しているのも興味深かった。(歌埼和彦 レコード芸術2012年2月号より)

◇(前略)メインとも言うべき3曲の協奏曲を通じて何より印象的なのは、文字通り、この時代の「コンチェルト」のかたちとスタイルをしっかりと踏まえながら、個々の演奏家たちとの間に緊密なアンサンブルを生み出そうとしている点だ。ジルバーマンによる楽器(ライナーでは歴史的背景を踏まえ「ピアノフォルト」と呼ばれている)を用いることで見えてくるものは、全てこの「土台」があればこそである。ヘ長調の協奏曲の伸びやかさのなかでの自在な表現は、バッハがこのタイプの楽器と対峙した跡をどこか感じさせるものだ。あるいはト短調協奏曲における色合いの幅もまた、オーケストラの雄弁な歌共々、このフォルテピアノに作曲家を介して向き合った過程で武久が得た一つの答だろう。自ら筆を執った内容の濃いライナー・ノーツを含め、選曲からしっかりと作り込まれた一枚だ。(後略)。(岡部真一郎 レコード芸術2012年2月号より)


ヴィオラ・ダ・ガンバの魅力 (2018.11.18 終了)
後援 奈良市・日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会


ヴィオラ・ダ・ガンバ 福沢 宏 
 
チェンバロ  山縣万里

                 使用した楽器
        Treble Gamba:François Bodart 2000 Belgium
        Alto Gamba:Arnold Dolmetsch c.1920 England
        Tenor Gamba:François Bodart 2003 Belgium
        Bass Gamba:Anonymous c.1750 Germany         
        Bass Gamba:Eugen Sprenger 1936 Germany
        Bass Gamba:Wang Zhi Ming 2009 China
        
        Cembalo:Eizo Hori堀栄蔵 1997 Japan

 繊細な音楽性、抜きんでた技術と知性で日本を代表するヴィオラ・ダ・ガンバ奏者福沢宏が厚く信頼を寄せ共演を重ねている実力派チェンバロ奏者山縣万里と共演。
ヴィオラ・ダ・ガンバと言えば、一見チェロに似た低音楽器と思われるでしょう。しかしこの楽器にはトレブル(高音)、アルト、テナー、バスといった異なるサイズがある事はあまり知られていません。
 第1部ではこれらの楽器による様々な音色を、そして第2部ではドイツとフランスを代表する二人の作曲家、バッハとマレの音楽をお楽しみいただきました。









お客様のご感想(アンケートより)

●自然に囲まれた茶論で身近に演奏が聴けて贅沢な時間をもてて良かった。ヴィオラ・ダ・ガンバを初めて聴きましたがどの曲も優しく語りかけるよう。一番心をゆさぶられたのはトレブルによるイタリアングラウンドによる変奏曲。これからもずうっと聴いていたい音楽です。

●トレブルの音色が美しかった。7弦のヴィオラ・ダ・ガンバは強烈な印象でした。ヴィオラ・ダ・ガンバの種々の楽器を聴けて大変良かった。会場の大きさに適合したコンサートでした。楽しかったです。チェンバロ、シャープでした。

●ガンバの音色の違いも楽しめて良かった。古いガンバの熟成した枯れた音は魅力的です。

●福沢宏、山縣万里両先生の世界に只々引き寄せられました。ヴィオラ・ダ・ガンバの音色、チェンバロの音世界に一音、一音大切に大切に演奏されるお二人の世界を素晴らしい佐保山茶論でご紹介頂けました事嬉しく至宝の一時でした。ありがとうございました。合掌。

●身近で聴けて低音の音の迫力が良かった。トレブルガンバのやさしい音を聴いていて心安らぎました。初めての曲ばかりでしたがつかの間の安らぎを与えて下さいました。ありがとうございます。

●ガンバやチェンバロの説明がありよく分かって良かったです。古のものと言っておられた7弦のガンバも聴けて良かったです。チェンバロソロもあり、思っていたより柔らかい音でチェンバロにもいろいろ種類があるのを知りました。

●いい季節の日曜日の午後、ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏会で3時間(1部&2部)もいい演奏を聴きながら過ごすことが出来てとても良かったです。ガンバの種類が実際に見られて良かった。意外と音量を大きく感じた。季節、建物のたたずまい、お庭が素晴らしかった。心が安まりました。

●トレブルガンバの音が特に気に入りました。ヴァイオリンよりもふくよかでヴァイオリンがテクニックバリバリの若手歌手だとするとテナーガンバは若い頃ほどにはテクニックを発揮出来ないけれどそれを補って余りある人生経験の豊かさを持つ妙齢のベテラン歌手のようです。山縣さんのチェンバロも素晴らしいです。目をつむって聴いていると織物の職人がタテ糸とヨコ糸を自在に操って見事な絵巻物を織り上げていくその姿がまざまざと見えるような見事な演奏です。なぜこのような素晴らしい楽器がピアノにその座を明渡さねばならなかったのか不思議です。アンコールの優雅なロンド(アラン・マレ)は涙が出ました。

●(曲の演奏時間が)長すぎず短すぎず素晴らしかった。室内音楽をこんなに間近でうっとり聴いたのは初めてであり、一つ一つの音が心にしみた。

●とても音響が良かった。

●チェンバロの響きの美しさにビックリ。

●音響、雰囲気が良かった。会場の雰囲気が曲に合っていてとてもすてきでした。

●会場と音楽がマッチしているのが良かった。1階のステージ直前の席と2階席の音の違いを楽しめた。

●2階席でとても良かったです。古楽をやるのにぴったりの場所だと思います。

●熱演すばらしかったです。ありがとうございました。

●音楽と演奏と会場が良かった。響きが良くすてきな会場で演奏がひきたちました。とてもよかったです。

●演奏者、選曲が良かった。充実した企画と内容で楽しい時間を過ごさせて頂きました。

●心が洗われる演奏、本当にすばらしい演奏でした。サロンもすばらしいです。

●楽器の故か、静かな音楽会でした。2階席の音が段違いに良かった。

●とても会場が良かったです。(ガンバとチェンバロの両方共)すごくきれいな良い音がしていました。チェンバロがカッコイイ。1750年のガンバがすごい良い音でなっていた。

●以前からヴィオールの実際の音を聴きたかった。

●どの曲も素晴らしかったです。酔いしれました。インベンションはほんとうに美しい曲だとあらためて思いました。1700年代の音色も聴かせていただきありがとうございました。


◇プログラム

第1部 <ヴィオラ・ダ・ガンバさまざま>

◆ D.オルティス Diego Ortiz(c.1510-c.1570)
   レセルカーダ第8番 第5番 第2番 (B)

◆ R.カー Robert Carr(17c.) 
   イタリアングラウンドによる変奏曲 (Tr)

◆ 作者不詳 Anonimous(17c.)
   グラウンドによる変奏曲      (Tr)

◆ 作者不詳 Anonimous
   グリーンスリーヴスによる変奏曲  (At)

◆ J.H.ダングルベール Jean-Henri d’anglebert(1635-1691)
   パッサカーユ ト短調(チェンバロソロ)

◆ N.シェドヴィーユ Nicolas Chédeville(1705-1782)
   ソナタ ト短調 Vivace / Alla Breve / Largo / Allegro ma non presto  (Tn)

◆ K.F.アーベル Karl Friedrich Abel(1723-1787)
   無伴奏ソナタ ト長調 Adagio / Allegro / Minuet  (B)

◆ G.Ph.テレマン Georg Philipp Telemann(1681-1767)
   ソナタ イ短調 Largo / Allegro / Soave / Allegro  (B)


[使用楽器]
トレブル(Tr):François Bodart 2000 Belgium
アルト(At):Arnold Dolmetsch c.1920 England
テノール(Tn):François Bodart 2003 Belgium
バス(B):Eugen Sprenger 1936 Germany

チェンバロ:Eizo Hori 堀栄蔵 1997 Japan


第2部 <後期バロックの巨匠、バッハとマレ>

◆ J.S.バッハ Johann Sebastian Bach(1685-1750)
   − テノールガンバとチェンバロのためのソナタ ヘ長調
     (原曲:オルガンソナタ 変ホ長調 BWV 525)(Vivace) / Adagio / Allegro

   − 無伴奏組曲 ト長調(チェロ組曲 ト長調 BWV1007)より
      Allemande / Courante

   − ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番 ト長調 BWV 1027
     Adagio / Allegro ma non tanto / Andante / Allegro moderato

◆ G.フレスコバルディ Girolamo Frescobaldi(1583-1643)
   フォリアによるパルティータ (チェンバロソロ)

◆ M.マレ Marin Marais(1656-1728)
   − 組曲 ト長調「ヴィオル曲集第3巻」より
     Prélude / Allemande-Double / Courante / Sarabande / Gigue

   − スペインのフォリア Folies d’Espagne

[使用楽器]

テノールガンバ:François Bodart 2003 Belgium
7弦バスガンバ:Anonymous c.1750 Germany
7弦バスガンバ:Wang Zhi Ming 2009 China

チェンバロ:Eizo Hori 堀栄蔵 1997 Japan


◇プロフィール


福沢 宏 Hiroshi Fukuzawa (ヴィオラ・ダ・ガンバ / Viola da gamba)
オランダのデン・ハーグ王立音楽院をソリスト・ディプロマを得て卒業。ヴィオラ・ダ・ガンバをヴィーラント・クイケン、室内楽をシギスヴァルト・クイケン、バルトルド・クイケンの各氏に師事。在学中より数々の室内楽のメンバーとしてオランダ、ドイツを中心にヨーロッパ各地で演奏活動を行った。帰国後はソロ・リサイタル他、古楽関係の音楽祭やサイトウ・キネン・フェスティバル、NHK・FMリサイタル、名曲リサイタルなどに出演。またバッハ・コレギウム・ジャパンによる演奏会、レコーディングに数多く参加するなど、全国各地で多彩な活動を行っている。フォンテックよりCD「マラン・マレ/ヴィオル曲集第3巻」(2015年レコード芸術誌特選盤)をリリース。東京藝術大学、東海大学非常勤講師。
http://hiroshifukuzawa.web.fc2.com/concert.html



山縣 万里 Mari Yamagata(チェンバロ/ Cembalo)
東京藝術大学音楽学部楽理科を卒業後、同器楽科チェンバロ専攻へ進学、在学中に安宅賞、卒業時にアカンサス音楽賞を受賞。同大学院修士課程チェンバロ専攻を修了後、ソリスト・通奏低音奏者として活動を続ける。ソロの演奏会シリーズ《ひとり琴》を毎年開催。様々なオーケストラやアンサンブルの公演にチェンバロおよびオルガン奏者として参加するかたわら、主宰するアンサンブル《Duo Maris》《通奏低音組合 Continuo Guild》、クラシックからジャズやタンゴまで多彩なレパートリーを誇る《アンサンブル・エスプレッソ》、和楽器奏者とのコラボレーション企画など、幅広い演奏活動を積極的に行っている。https://magatamary.jimdo.com



◇福沢 宏ソロCD
「マラン・マレ/ヴィオル曲集第3巻」
  福沢 宏(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
    武澤秀平(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
    野入志津子(リュート)
    山縣万里(チェンバロ)
レコード芸術2015年5月号特選盤
◇ソロ活動とともに、信頼できるコンティヌオ奏者として国内外のアンサンブルに招かれて活動してきた福沢宏による、意欲的なマレ演奏が登場した。(中略)演奏は、沈思、内密さよりも、マレの残した楽譜をもとに、「優しく」、「強く」といった指示があればその対比を明確にし、また反復を省略して音楽の変化を浮き彫りにし、リュートを加えた低音によりリズムを際立たせ、自在であるとともに明快な音楽的造形を追求している。(中略)たとえばト長調組曲のアルマンド<ラ・マニフィク>とその変奏や、二長調組曲に含まれた内省的ではあるが、情緒に流れない<嘆き>は、こうしたアプローチがもたらした白眉の演奏だ。ソロが主張しながらアンサンブルとしても見事なマレを聴くことができる。(美山良夫 レコード芸術2015年5月号より)


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